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不動産コンサルタント 大野レポート No.19
タカラ塾
2011年4月3日
『東日本大震災・戦後最大の国難』
 2011年3月11日(金)東日本沖合でM9という戦後観測史上最大の巨大地震が発生し、その後、10mを超える巨大津波が東日本の湾岸地域を襲いました。
 4月2日現在で、死者12,000人、行方不明者18,000人を数える大惨事となっています。被災地は、岩手・宮城・福島3県及びその周辺地域と広範囲に及び20万人以上の人々は被災者として避難場所で不自由な生活を余儀なくされています。

 そして、その大津波によって東京電力福島第1原子力発電所が波をかぶって非常用電源まで失うという想定を超える事体となり、数度にわたる水素爆発等及び放水漏れの汚染水により放射性物質の汚染が継続して広まっているという深刻な状況にあります。

 又、東京を含む関東地域では、原発事故の影響を受けて、計画停電等により、あらゆる企業、病院、地域社会に深刻な事態を及ぼしており経済活動に支障をきたしています。
 地震・津波・原発事故という3重苦の中、まさに戦後最大の国難、試練(国をあげての長期的試練)に遭遇しているといっても過言ではありません。

 いろいろな情報や風評が錯綜する中で、過剰な楽観論の前に、まず現実の状況を把握し現実を直視することから的確な備えや解決策を生み出していくことこそが、今、われわれひとりひとり国民として求められる真摯な態度であると思います。

 4月3日の朝日新聞の天声人語の抜粋…『日常というものがかくも微塵に破壊された光景を見たことはないと、遅ればせながら被災地に入って思った。材木、瓦、ミシン、仏壇、めがね、電動歯ブラシ、家計簿、かつら、割れた便器。ありとあらゆるものがねじれ、ゆがみ、ひん曲がって、街が集落が消えていた。当事者と非当事者との間にある越えがたい深淵。そこにかける言葉を持ちうるのか。「(3・11)をただの悲劇や感動話や健気な物語に貶めてはいけない」作家のあさのあつこさんが寄せた文の一節を、きびしく反芻した。』

 慈善団体に所属している私としても、数回にわたる会合を開き、『われわれに何ができるのか』という問いかけの中で、今回の災害復興支援は長期戦になることを覚悟し、献血及び募金活動をしながら今回の災害で不幸にも孤児となった災害孤児の方々に向け設立された支援基金(0歳児~大学院までの教育費基金)への義捐金を継続して行う。  
 そして、大阪府に避難されてきた被災された方々に向け設立された大阪府基金に継続して義捐金を送ることを決定しました。

 年齢的に若ければ、現地にかけつけボランティア活動も行いたい思いもあるが、経験のない年配者が現地にいっても足手まといになるだけなので、上記のように継続してやっていける支援活動に尽力したいと考えます。

 これから復旧、復興に向けて進んでいく過程の中で、防災への真摯な取り組みや新しい日本の地域社会創設のため、政治の仕組み、地域社会のあり方、近代文明矛盾への是正(電力を原発に過度に頼る危険性、東京一極集中の是正や、地方分権から地方主権への流れの加速)を政官民こぞって行っていくことで、まさしくこの難局を切り抜けていくときに、日本国中だけでなく、世界から注目される日本になれる試金石ととらえたいと思う今日この頃です。

タカラ塾塾長    大野 哲弘

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